私ジャガイモは20年ほど前、38万円のスチームクリーナーを売っていたことがあります。個人宅へお邪魔してトークしてその場で契約のハンコをもらうという、、今考えれば無謀な挑戦をしたのでした。
さて結論から言ってしまうと、1か月で辞めました。実働2週間で3台売れましたが、歩合給が付くこともありませんでした。
目的は果たせませんでしたが、この短い間で濃密な体験をしたので今でもよく覚えています。
なぜ内向型HSPなのに営業職に就いたのか?
内向型HSPがやっちゃいけない仕事と言われる営業になぜ就いたのか、、その理由は
- 自己啓発のプログラムに取り組んでいる最中で、とにかく自分を変えなければならない、自己実現しなければならない。。と思っていた。
- 自己啓発プログラムの中での夢の実現(その時はギターの講師)のためにお金を貯める必要がある。
- 自分だって営業で稼ぐことができる、と思っていたし力を試してみたかった。
- 単純に身の程知らず、世間知らずだった。
それまで極めて安定した職(インフラ関係)に就いていたのに、同僚や男女関係のややこしさで疲れ、拒食と過食を繰り返すようになり、もともと苦しい感じの人生がさらに辛くなりました。
そのころ偶然書店で見かけた「あなたの人生を変える速聴」みたいなPOPと速聴の効果をまとめたパンフレットが発端となり、あっという間に140万円の速聴・自己実現プログラムを購入するに至ります。そこから暗く長~いトンネルに入るとも知らずに。
実際に個人宅へ営業してどうだった?
30軒くらいのお宅にお邪魔しましたが、売れたのは3回。口下手ですしうまく営業トークできるわけありません。入社して10日位かけて営業トークマニュアルを丸暗記してから先輩に3日くらい同行。翌日から一人で回るわけですが、家やお客さんの雰囲気(主に年配のご婦人)が色々。当然こっちのトーンも変わってしまいます。
相手に合わせていると言えばそうですが、その雰囲気に飲まれているとも言えます。
HSPですから相手の表情・しぐさ・声色など敏感に察知します。必要以上に。ここで当初の目的(納得して買っていただく)など吹っ飛んでしまいがちです。
実際に私ジャガイモは売るのを諦め、ひたすら話し相手に徹するようになります。
娘や息子の話、親戚の話、近所の話、病気の話、、今の私には絶対に無理ですがその頃は20代でまだピュアでしたから。。親身になり2~3時間も聞いていると・・
「それいくらなの?買ってあげるわよ」
え、はい??今なんと?(あーこれが「商品を売ろうとするな、自分を売れ」ということか!)
「ハンコ持ってくるわね」
契約書の書き方がわからず支店長に電話してなんとか契約。
初契約して会社に戻ると、ピザとコーラで乾杯して皆で祝ってくれました。同期で入った同僚も初契約したら同じように祝います。
私ジャガイモは年配のご婦人にこのパターン(ひたすら聞く)で2回売れたので社内では「マダムキラー」と言われて恥ずかしかったのを思い出します。
同期の同僚(40代)に胸ぐらつかまれ恫喝される
少ししてもう一回売れたのですが、その日会社に戻ったら事件が起きました。
同時期に入社したオッサン(自分からはそう見えた)に「おい!こっちこい!」と胸ぐらをつかまれ、グイグイ廊下へ引っ張り出されました。
「なんですか?!」
「おまえ、どんな売り方してんだ、強引に売りつけたんだろ?」
「俺の商売の邪魔するんじゃねえ!」
(???・・・はあ?怒)
私ジャガイモは訳が分からず何も言えませんでした。
ヤカラ感とアウトローっぽさがウザいオッサンはこっちの話も聞かず一方的に怒鳴ってどこかへ消えました。
取り残され呆然とする私に支店長が言いました。
「君が契約したお客さんがあいつのお客さんの友達だったんだよ」
「あいつのお客さんが友達に商品を紹介してアポが取れた」
「そして君が売った後にその友達が(強引に買わされた!)とあいつのお客さんに言ったらしいよ」
「でもそんな売り方してませんし、納得して契約した感じだったのに。。」
「良くあることだけど、契約後に冷静になって旦那に叱られるのが怖くなる人がいるんだ。キャンセルするんだけど「知らない間にハンコ押してた。」って言えなくて(カッコ悪いから)「売りつけられた!」って人に言ったりして営業のせいにするんだよ」
「それがあいつのお客さんから伝わって、あいつは君が強引に売ったって思ってる。」
真実を知って余計にショックでした、その日は初めてトークがうまくいったと思えた日でしたし、お客様も納得してると疑いもしなかったので。
・・・続きはまた明日。
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